ザンビア共和国渡航


8月11日から8月17日まで、ザンビア共和国に渡航してきました。
今回は医学部生9名、薬学部生4名、看護医療学部生2名の合計15名と大所帯で活動してきました!
会長の安井正人先生、顧問の楊浩勇先生のお二人に御同行いただき、大変充実した1週間となりました。

主な活動は以下の通りです。
8月11日 成田空港出発
8月12日 ルサカ到着、Programme Against Malnutrition訪問、JICA Zambia Office訪問
8月13日 マテロ病院見学、バウレニクリニック見学
8月14日 ストリートチルドレンへのアウトリーチ活動参加、Nsansaにてワークショップ実施
8月15日 Chongweでの健康診断実施
8月16日 ルサカ出発
8月17日 成田空港到着

アウトリーチ活動

ザンビアの首都ルサカでは、約5万人のストリートチルドレンが生活しています。アフリカ医療研究会がザンビア滞在中にお世話になったNsansaではストリートチルドレンへ食料を届ける活動をアウトリーチとして行なっており、活動に同行させていただきました。
訪問した跨線橋では、男女幅広い年齢の子供達が集団生活をしていました。子供達は様々な理由で親を失い、ストリートチルドレンとして生活することを余儀なくされ、首都には多数の地域で子供達が集団を作って生活をしています。子供達は日々僅かなお金で暮らさなくてはならず、シンナーを吸うことで空腹を満たしており、生活の大変さを感じました。
Nsansaはそれらの集団を定期的に訪問して病気や暴力で生活が困難になった子供を見つけると、施設で保護するようにしているとのことです。

栄養ワークショップ

私たちは小学生の頃に学校給食などで自然と栄養についての知識を得ます。しかしNsansaの子供たちは食べられる食材が限られてるという事もあり、毎日シマ(とうもろこしの粉に水を入れて捏ねて固めたザンビアの主食)を中心にちょっとだけ野菜と肉を添える、という食生活を送っておりなかなか栄養について学ぶ機会はないようでした。
なので今回はわかりやすく説明するためにまず栄養素を大きく3つ、赤・黄・緑の三色のグループに分類しました。

赤:血や肉になるもの(タンパク質)
黄:エネルギーになるもの(炭水化物)
緑:身体の調子を整えるもの(ビタミン)

この三色の3人のレンジャーに登場してもらい、元気の出ない子供を助けていくというストーリーで劇を行いました。最後のワークショップでしたが、子供たちは飽きずに熱心に聞いてくれて楽しく説明できたのかなと思います!
写真はその時の様子です。
劇のあとは子供たちに6つのグループに分かれてもらい、各自で好きな食材を選んでバランスの良い献立を考えてもらうという企画をしました。
食材の写真を印刷した紙をたくさん用意しておきました。
子供たちはみなシマが大好きでシマの写真を見ると大喜びの様子でした。

初めてのザンビア渡航ということもあり、手探りな状態で準備を進めていましたが、現地のスタッフの方々にも好評で大成功でした!

健康診断

健康診断チームの活動として、ザンビアのチョングエ地区で健康診断を行いました。

この村では、月に一度クリニックから派遣されたボランティアの方々が健康診断を実施しています。
このように、すで健康診断という概念がある程度浸透している地域での健康診断やアンケートの実施を通して、チョングエに住む人々の健康意識や健康診断に参加する意欲への理解を深めることを目的としました

健康診断の実施内容
・身長測定
・血圧測定
・視力検査
・眼科検診(日本から同行して頂いた眼科の先生のお力をお借りして実施しました)
・アンケート調査

ザンビアでは子どもの慢性・急性栄養失調が国の大きな課題のひとつとされていますが、今回得た身長のスコアをWHOのZスコアに基づき性別ならびに年齢別平均身長と比較しところ明らかに栄養失調だと思われる児童は見られませんでした。

また、血圧に関しても近年増加している生活習慣病のひとつである高血圧と診断される住民の割合は低く、大きな問題は見られませんでした。

しかし、視力に関しては遠視により視力が低い人が多く、また白内障、網膜剥離、翼状片と診断される人の割合も高い結果となりました。

アンケートでは子どもの出生時の体重についてや、日頃の医療へのアクセス度、母乳栄養について質問をしました。そこで得た結果をもとに、今後の啓発運動につなげていければと考えています。