アフリカ医療研究会とは?

 

本会の設立経緯 

 

 アフリカ医療研究会は 2011 年にアフリカの医療状況に対する強い想いから誕生した。近年グローバル化が進み、医療の分野でも国際的な視野をもつことが求められる。グローバルな視野が必要とされる今、医療従事者は先進国の先端医療技術だけでなく、環境が整っていない医療現場にも目を向ける必要があるのではないだろうか。一方でアフリカは、 HIV/AIDS やマラリアの流行、乳幼児死亡率・妊産婦死亡率の高さ、貧困など解決が急がれる課題に溢れている。将来の医療の担い手としてそれらの諸問題に疑問を抱き、自分の目で確かめたいと考え、多くの方のご支援をいただき、2012 年に第 1 回渡航が実現した。そもそも慶應義塾大学医学部は福沢諭吉先生、北里柴三郎先生によって設立された歴史ある学部であり、そこから輩出された人材は、臨床以外にも基礎研究や、制度政策、非営利活動、医療関連事業、国際活動など医療・健康に関係する様々な分野で先端的な活躍をしている。本会の活動は福澤先生の『独立自尊』の精神に沿い、アフリカの医療・保健状況が改善され、自立することを促すために働きかけることが目的である。本会はこのような気概を受け継ぎ、活動している。本会では、グローバルな視野で医療・保健を考えつつ、現地の視点で地域に密着した活動を行っていくことを目指している。団体理念「Think Globally, Act Locally」のもと国際的な動向を学びながら、地域に目を向け現地に根付くよう活動を発展させている。2012 年から2017 年までの 6 年間、外務省や JICA、地元の大学との交流を行い、広い視野からコンゴ民主共和国の医療を見つめてきた。Acadex 小学校の活動では、将来的には現地の人の手で活動が継続されることを目指し、発展させてきた。さらに、2018 年は南アフリカ共和国、2019 年はザンビア共和国と地域を拡大して活動を行ってきた。実際に渡航し目の当たりにしたアフリカは多様な側面を持っており、現地の生活を見て、現地の人の声を聞いてこそ得ることができた学びがあった。このように毎年アフリカの地を訪れてきた当団体であったが、2020年度から2022年度はCovid-19の世界的流行により、やむを得ず渡航を断念することとなった。2年間は、活動自体もオンラインでの実施を余儀なくされたが、その中でも定期的に勉強会を行って国際保健に関する知識を深めたり、慶應義塾の幼稚舎へ授業の実施、オンライン教材による健康教育をしたり、現地に直接行かなくてもできることをメンバーで模索しながら実施してきた。また、2019年度に渡航したザンビアの孤児院、Nsansa Villageの子どもたち・スタッフの方とのビデオチャットを定期的に実施し、繋がりを大切に維持してきている。

 

 ようやくアフリカへの渡航の兆しが見えてきた2023年。3年間のオンラインのみでの活動や文献調査からのみではみえなかった現地の状況を知ることが求められる。3年ぶりの渡航となるため、今までのアフリカ医療研究会の理念や情熱を受け継ぎつつも、新たにvisionやmissionを掲げ直し、再びザンビアの地に足を運ぶことを目指し活動に熱量を注いでいる。現地を直接目で見ること、肌で感じることも大切にし、そこで本当に問題となっていることは何かについて考える。そして、オンライン活動で培ってきた我々の国際保健に関する知識を活かし、それらの問題はどう変わっていくか、実際に私たちができることは何かを導き実践する。このような姿勢は、国際的な視野を持つ医療従事者への第一歩を踏み出す我々に求められることだと考える。

 

 慶應義塾大学医学部・看護医療学部・薬学部内でアフリカを活動の場とした団体は初めてであり、全国的に見ても稀だが、これからも総合大学という強みを活かし、学際的な視野に立った活動を展開していきたい。そして、本会は医療系学生団体として現地の見学のみならず、現地の人々と共に長期的に継続していくことを目指し活動を続けていきたいと強く願う。

 

 

理念


■ 団体理念
『Think Globally,  Act Locally』
  グローバルな視点で医療を包括的に考えながら、現場の視点で地域に密着した活動を行っていきます。

 

Vision

  子どものような社会的脆弱性の高い人々、アフリカを含めた全ての人々が、

  適切な保健衛生と医療の提供を保障され、身体的精神的社会的well-beingを実現できる社会

 

Mission

  ・Global healthに貢献する医療人の育成

  ・アフリカと日本を繋ぐ国際的な架け橋

  ・公衆衛生における開発研究